今日から試せる職場の地震対策基礎知識

      2019/09/17


企業が行う地震対策というと、一般的に耐震工事や火災報知器の設置といったハード面にばかり目が行きがちですが、防災教育やその認知といったソフト面での対策はそれ以上に重要視されるべきです。

とはいっても、具体的に何からすれば良いか分からないといった方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、職場で今日から実践できる地震対策などをまとめました。この記事を読めば、今職場で求められている地震対策とその意義を知ることができます。

なぜ職場で地震対策をする必要があるか

職場での地震対策は何も従業員だけの問題ではありません。

企業・組織は常に災害が拡大することを防ぐため、それぞれの立場で最大限の努力を払い、社会的影響を最小限度に抑える必要があります。

というのも、企業の事業活動の早期再開は、人々の生活に必要な物資やサービスを提供する重要な役割を果たすと同時に、取引の停止による間接被害を軽減することに繋がるからです。

そのためには地震に備えた対策活動を日頃から消防計画の一部として定め、職場で勤務する人々が一丸となって迅速に対応できるよう訓練を心がける必要があります。

地震被害を認知することの意義


地震対策をするために、まずどのような被害が存在し、どの程度の規模で起こっているのかを知ることは急務です。

例えば、日本建築学会の『阪神淡路大震災住宅内部被害調査報告書』によると、最も被害が大きい印象がある家屋の倒壊による怪我は、全体の僅か3%に過ぎず、一方で家具等の転倒落下によるものは46%も占めています。

また、家具等の転倒による怪我にガラスによる怪我をこれに含めると、負傷原因の75%にも達してしまうのです。

しかしこれは裏を返せば、地震による怪我の75%は職場内で日頃から意識することで十分に対策が可能ということにも繋がります。

今日からできる地震対策3選

ここでは、室内で行える主な地震対策を3つ説明します。どれも効果的な対策となるので、ぜひ参考にしてください。

①L字金具・つっぱり棒で背の高い家具を固定する
しっかり固定されていないタンス・本棚といった背の高い家具は、倒れて下敷きになる危険性に加え、設置場所によっては避難経路を塞ぐといった二次被害が多発しやすい問題点を抱えています。

転倒防止商品を購入する際、震度7まで対応しているか、過去に起きたどの地震をサンプルケースとして検証実験を行っているかをチェックするのがポイントです。

②パソコンといったOA機器、備品も固定する
大地震で机上設備が飛んできての負傷や、衝撃で破損してしまった導線から出火して火災に繋がるといったことは実際に起きた話です。

備品の大小に関わらず、少しでも危険を感じたものは固定器具やバンド、ジェルマットを用いて固定するように努めましょう。

③ガラスの割れ・飛散に注意する
ガラスが割れてしまうと、その破片で負傷する可能性は急激に高くなります。

避難時は玄関だけではなくベランダも活用することを考慮し、避難経路を全て確認することを怠ってはなりません。

また、ガラス飛散防止フィルムを貼ることで飛散防止のみならず、窓からの侵入防止対策にも繋がるため防犯対策にも繋がります。

上記3つ以外にも職場で可能な地震対策は数多くあります。

まずは現時点で自分の職場がどの程度震災対策をしているか知るためにも、こちらのURLにあるチェックシートで確認して問題点を洗い出してみましょう。

役割分担による地震対策


有事の際に冷静な判断をすることは非常に困難です。

事前に緻密な防災計画を定め、頭の中で理解していたとしても、災害発生時に何もできなくなってしまうことは少なくありません。

従業員各々が勝手に行動することは混乱を招いて事態をより一層悪化させてしまいます。

地震による被害を最小限にするためには従業員数の大小に関わらず一つの集団として組織的な行動をとれるよう、日頃から教育・訓練をすることが効果的とされています。

その際に、任務の分担をあらかじめ定め訓練することで、非常事態において具体的な指示がなくとも行動ができるようにしておくことが大切です。

防災管理者は役割分担の上で出火防止や避難誘導、救護といった様々な担当を定め、各自に責任を与えなくてはなりません。

その際に、職場の用途などに応じて任務の種類や担当者の数などを考慮して編成する必要があります。

具体的には、危険物を取り扱う施設の場合は「危険物防護担当」を設置し人員を割くといったものです。

担当者の指定の際、その者が普段担当している仕事との関連や、他の任務との補完が効くように考慮すると、よりその分担は効果的なものとなります。

このようにしっかりと分担を行うことは、各自の責任意識の強化、その枠組みを土台とした防災に対する日常的な議論や訓練の活性化へ繋がるのです。

地震対策の上で意識すべきこと


職場での震災対策で重要となるのは、企業や部署、個人それぞれが責任感を持って常に最大級の被害を想定して日頃から備えることです。

確かにハード面での対策は効果的ではあるものの、莫大な費用と時間がかかってしまうことに加え、その対策の目的がしっかりと明確にされていない場合、その効果は著しく減少してしまいます。

それを避けるためにもまずは、身の回りで何が起きているのか、何が起こりうるのかを知り、そこから適切な対策を講じられるような災害認知教育を徹底することが職場では求められています。

まとめ

今回は職場の地震対策の意義と具体的な方法を解説しました。本記事の重要なポイントは以下の3点です。

  • ソフト面での対策はアップデートが容易で即効性が高い
  • 地震による怪我の約75%は家具の固定などで防げる
  • 個人の役割を明確にすることで、より効率的な事業復旧が望める

この記事を参考にして職場の地震対策を実行してみてはいかがでしょうか。

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