BCPで安否確認が最重要な理由とその基礎知識

   

2011年に発生した東日本大震災以降、導入が重視されている安否確認。

BCPを策定する上でも優先される安否確認ですが、安否確認がなぜ重要なのか分からないという方も少なからずいるのではないでしょうか。

今回はそんな方のためにBCPと安否確認の基礎知識や安否確認の種類などを解説していきます。

この記事を読むことで安否確認の意義が明確に分かるので、ぜひ参考にしてください。

覚えておきたいBCPと安否確認の予備知識


まずはBCPと安否確認の基本を説明していきます。ぜひじっくり読んでみてください。

BCPが必要不可欠な理由

BCP(事業継続計画)とは、さまざまな災害やトラブルが起きた際に事業を継続または早期復旧を図るための計画のことです。

BCPには事業の損失を最小限に抑えたり、顧客からの信頼を保つという目的があり、災害などのトラブルから事業を守る重要な役割を持っています。

「Business Continuity Plan」を略して、BCPと呼ばれています。

このBCPを導入しないまま災害が発生してしまうと冷静な判断ができずに迅速な事業復旧が行えない恐れがあります。

現状ではBCPを義務付ける法令や条例はありませんが、事業をトラブルから守るという意味で導入しておくと良いでしょう。

ここでは簡易的な説明となりましたが、より詳しくBCPを知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

BCP(事業継続計画)とは何か、災害対策・防災計画を分かりやすく解説

BCPで最優先するべき安否確認

スムーズな事業復旧を実現する上で重要になるのが、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の1つである従業員の確保です。

災害発生時は安否確認で従業員が無事なのかはもちろんのこと、業務に就くことができるのかを確かめる必要があります。

出社できる従業員が何人いるのかを把握できれば、その後の事業を迅速に復旧できるでしょう。

つまり安否確認の役割は災害時に対応できる人材確保のことであり、BCPでは必要不可欠となるのです。

もちろん安否確認が複雑な仕組みでは迅速な事業復旧を望めないため、簡潔でスムーズに行える安否確認を導入すると良いでしょう。

また万が一のことを考えて安否確認の方法は、複数用意しておくと安心です。

2011年に発生した東日本大震災では、安否確認として使われていた携帯電話のメールと電話が大規模な災害により正常に機能しないという問題がありました。

安否確認システムの4つの種類


次に安否確認システムの一例を説明していきます。どれも大切な内容になるので、ぜひ参考にしてください。

メール

メールによる安否確認は多くの会社で導入されている方法です。

事前に全従業員のメールアドレスを一括で管理し、災害時には一斉送信メールで従業員の安否を確認するだけなので、安否確認がスムーズに行えます。

しかし2011年の東日本大震災で実際に起きたように、大規模な災害発生時はメールが殺到することでメールサーバーの処理が追いつかず、迅速な安否確認ができない恐れがあります。

連絡アプリ

LINEやMessenger、Skypeなどを使って安否確認をとる方法です。広範囲に及ぶ災害でもインターネット回線が使える状態なら連絡をとることができます。

実際に2018年6月に発生した大阪府北部地震で12,800件の電話が繋がらなくなった際に多くの方がデータ通信で使えるLINEで連絡を取っていたようです。

また既読機能が付いているアプリが多いので、返信が来なかったとしても安否を確認できるのはメリットになります。

あらかじめ全従業員のアカウントを管理・グループを作成した上で、緊急時にメッセージを送るとスムーズに安否確認をとれるでしょう。

SNS

Workplaceなどの法人用SNSをとおして安否確認する方法です。

メッセージを読んでもらえたのか確認しづらい面があるため、基本的には安否確認よりも指示などの情報拡散で使うと良いでしょう。

ただし、法人用SNSはチャットツールと投稿の2種類が用意されていることがほとんどで、情報量が多いため、人によっては見逃してしまう恐れがあります。

安否確認サービス

セコムやNECなどが提供している企業の安否確認サービスを使う方法です。

サービスによっては災害が発生した際に自動で安否確認をしてくれたり、回答を集計する機能があったりします。

また、電話番号やアカウントを登録せずとも専用サイトに書き込むことで安否確認ができるため、スマートフォンが使えない状況でもほかにPCやタブレットがあれば問題ありません。

ただ、メールや連絡アプリなどと違って運用コストがかかるというデメリットがあります。

安否確認で気をつけたい4つのポイント


ここでは安否確認で確かめておきたいポイントを解説していきます。どれも安否確認を行う上で重要な内容になるので、ぜひじっくり読んでみてください。

ルールを明確にしておく

安否確認は従業員が無事かどうかを確認できることが大前提なので、管理者は誰なのか、集計結果は誰に報告するのか、指示はどうするのかなどを必ず定めた上で浸透させておきましょう。

また従業員とその家族の安否や被災状況など、安否確認でどのような内容を確認するのかを決めておくことも大切です。

内容を決めておかないと集まる情報量がバラバラになってしまうため、結果的に安否確認の集計に手間取ってしまいます。

このルールが曖昧になっていると、いざという時に迅速な安否確認ができないため、必ず安否確認を導入する段階で徹底しておきましょう。

複数の端末で安否確認できるようにする

深夜や休日など業務時間外に広範囲にわたる災害が発生した場合、安否確認担当者も巻き込まれると安否確認までに時間がかかる恐れがあります。

その際に安否確認システムが会社にしか存在せず、すぐには対応できないという状況だと最悪の自体です。

それを防ぐため事前にどのような場所でも安否確認を行えるよう端末を複数用意したり、インターネットでアクセスできる安否確認サービスを用意したりすると良いでしょう。

また管理者を1人だけ選ぶのではなく、住んでいる地域が別々の管理者を複数名選んでおくと万が一の際も安心です。

従業員の登録情報を確認する

安否確認を導入する際に必ず全従業員の情報が正しいのかを確認してください。

新入社員・中途採用者が登録されているのか、退職した従業員の情報は削除されているのか、登録されたメールアドレスは合っているのかなどを確認しておきましょう。

従業員がメールアドレスを変更したまま報告し忘れているという自体は起こり得ますが、そのまま災害が発生すると安否確認や指示が送る手段がほぼなくなってしまうので、注意してください。

普段から確かめておく

災害などが発生してから安否確認を行おうとしても使い慣れておらず迅速な対応ができない、または上手く作動させられないことも想定されます。

そのため、定期的な安否確認の訓練のほか、可能であれば普段から業務連絡で使っておくと良いでしょう。

また訓練で従業員に安否確認を浸透させておけば、緊急時に安否確認に返答しない従業員を減らせるはずです。

まとめ

今回はBCPと安否確認の基本や安否確認の種類、安否確認のポイントなどを紹介しました。本記事の重要となるポイントは次の3点です。

  • 安否確認は災害時の人材確保の役割を持ち、BCPでは必要不可欠
  • 安否確認はどのような場所でも行えるようにする
  • 安否確認の担当者は複数人を選ぶ

この記事を参考にして、緊急時に役立つ安否確認システムを導入しましょう。

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