災害時にSNSが活用される理由とその課題点

      2019/12/27


災害時の情報収集・発信の手段として近年、SNSが活発に利用されています。

個人だけでなく報道機関や自治体などでもSNSが積極的に使われるようになってきていますが、なぜ災害時にSNSが使われているのか分からないという方も少なくないでしょう。

今回はそんな方のために災害発生時にSNSが活用される利用やSNSならではのデメリット、そのデメリットを回避する方法などを解説していきます。

この記事を読むことで災害発生時に適切にSNSを利用できるようになるので、ぜひ読み進めてください。

ソーシャル防災とは


ソーシャル防災とは、TwitterやFacebookなどのSNSを使って災害や防災に関する情報の発信・収集を行う取り組みのことです。

SNSはインターネットに接続できればどのような場所でも利用でき、最新の情報をリアルタイムで把握できるといったメリットがあるため、近年では個人間だけではなく報道機関や自治体でも情報収集・発信の1つの手段として活用されています。

ソーシャル防災の考え方が広まったきっかけは、2011年に発生した東日本大震災だと言われています。

被災地では電話がつながりにくい状況がつづき、SNSを通して情報発信や安否確認が活発に行われました。

宮城県気仙沼市の児童福祉施設で救助を求めるツイートが当時の東京都副知事・猪瀬直樹氏の目にとまり、ヘリを出動させた事例もあります。

災害時の情報収集にSNSが活用される理由


近年、なぜソーシャル防災が個人間のみならず報道機関などでも利用されているのでしょうか。

この章では、災害発生時にSNSが利用される2つの理由を具体的に紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

リアルタイムで情報発信・収集ができる

災害発生時にSNSを利用する大きなメリットとしては、情報の発信や収集を即時に行えることがあげられます。

テレビやラジオなどの報道機関の場合、取材・編集をした上で放送するためにどうしても情報発信のタイムラグを免れませんが、SNSであれば今、起きた出来事をすぐに伝達することが可能です。

またSNSはリツイートなど情報が拡散されやすいという特徴を持っており、孤立した被災者が自らスマートフォンで情報発信を行うことで迅速な救助や支援物資の提供に繋がります。

災害発生時でも利用できる可能性が高い

SNSは被災中でもインターネットが繋がっていれば、利用できるという利点があるため、災害時は多くの方が活用しています。

その一方で電話の場合、災害発生直後は安否確認などで多くの方が電話をかけることが原因となり輻輳が起きるため、通信会社により通信規制が行われ、電話がつながりづらい状態に陥ってしまうのです。

またテレビの場合は、停電が起きると復旧するまでは見られない状態がつづくため、災害の状況などを把握できなくなってしまいます。

そのため、SNSは災害時の情報収集や安否確認の手段として役立ちます。

実際に2018年に発生した大阪府北部地震では、回線への集中が発生したことにより12,800件の電話が一時的に繋がらなくなりました。

その際に被災者はLINEで安否確認を行なっていたようです。

災害時におけるSNSの活用例


各自治体は具体的にどのようにソーシャル防災を行なっているのでしょうか。この章ではソーシャル防災の事例を説明していきます。

熊本地震


2016年に発生した熊本地震の被災後は、普段からTwitterを利用していた熊本市長の大西一史氏が市民に対して連日、ツイートを続けました。

内容は被災状況や避難所の案内、ボランティアの募集など幅広く、不安定な状況に置かれた市民の安全確保に繋がったのです。

また熊本市役所は、普段は熊本市の地域情報や魅力を伝えているFacebookの公式アカウントで、被災状況や支援募集などの情報発信のほか、外国人へ向けて英文の避難所案内を投稿していました。

東北・北海道豪雨災害


2016年に発生した台風10号により甚大な浸水被害を受けた北海道の南富良野町。

被災後は、南富良野町のFacebook公式アカウント「南富良野の鉄道員(ぽっぽや)」で、連日、被災状況やボランティアの募集、義援金の案内などを行なっていました。

またテキストによる情報発信だけではなく、給水情報や通行状況などの張り紙を画像データで投稿したことによってSNS上での画像検索も可能にし、さらなる情報拡散を図りました。

西日本豪雨

2018年に発生した西日本豪雨では、各地で土砂災害や家屋浸水など甚大な被害が発生しました。

そんな中、岡山県総社市の片岡聡一市長は自身の公式Twitterアカウントを通して情報発信を続けました。

豪雨による被害が拡大する前に災害の状況や避難場所の案内などを行なっており、多くの市民の安全確保に繋がっています。

これらの情報発信は、市民の安全を考えて自治体からの要請を待たずリアルタイムに行われており、市民から称賛の声が上がりました。

大阪府北部地震


2018年に起きた大阪府北部地震では、大阪市の吉村洋文市長(現大阪府知事)が迅速に自身のTwitterで積極に情報発信を行いました。

被災状況や市内にある学校の休校指示、余震に備えるために防災マニュアルや防災アプリの案内などを迅速に行い、市民の安全を確保するよう努めていたのです。

さらに災害発生時に出回りやすいデマ情報の拡散を防止するために、むやみに情報を拡散しないことや情報の真偽を確かめるよう呼びかけました。

SNSを活用にするにあたっての留意点


これまで説明したようにソーシャル防災には多くの利点があるため、近年ではテレビやラジオと肩を並べるほどの影響力がありますが、SNSは悪質なデマや誤った情報も発信されやすいという問題を抱えています。

SNSは情報をリアルタイムに拡散できるという特徴がありますが、真偽を確認していないと誤った情報が拡散されて混乱を招いてしまう恐れがあるのです。

実際に起きたデマの事例としては、2011年に発生した東日本大震災のコスモ石油のデマがあります。

地震発生当日の3月11日、コスモ石油千葉製油所(千葉県市原市)に設置しているタンク施設で火災・爆発が起きるという事故が発生しました。

この直後に以下のような出所不明の情報がTwitterやチェーンメールなどで猛烈な勢いで拡散され、一時的にパニックに陥りました。

コスモ石油の爆発により、有害物質が雲などに付着し、雨などといっしょに降るので外出の際は傘かカッパなどを持ち歩き、身体が雨に接触しないようにして下さい!!

これに対してデマ情報を把握していたコスモ石油は「タンクに貯蔵されていたのはLPガスであり、燃焼により発生した大気が人体に与える影響は非常に少ないと考えています。」という声明を発表し、事態の収束を図りました。

また2016年に発生した熊本地震では「動物園からライオンが放たれた」という悪質なデマが拡散され、拡散元のツイートを行なった犯人は動物園に対する業務妨害で逮捕されています。

匿名のSNSでは正しい情報と誤った情報が交差しますが、情報発信を行なったのがフォロワーの多い自治体や企業などの場合、その影響は計り知れないため、誤った情報を提供してしまうと取り返しのつかない事態になりかねません。

それを防ぐために情報が本当に正しいのかを見極めた上で情報発信・収集を行うことが何よりも重要です。

SNS緊急情報サービスであれば効率的に情報収集可能


前述しましたが、ソーシャル防災に取り組む上で情報の真偽を確かめることは必要不可欠です。

しかし様々な情報が入り乱れるSNSで、正しい情報を全て人力で見極めることは非常に困難となり、人海戦術で確認が取れたとしても情報発信までに大きな遅れを取ってしまいます。

そういった場合に役立つのがFASTALERTなどのSNS緊急情報サービスです。

このサービスはSNSに投稿された情報をAIがリアルタイムで解析・収集し、適切な情報のみを自動的に提供してくれます。

また正確な情報でありながら、SNSの情報を見極めるための人員を雇用するのに比べてコストがかかりません。

近年では情報の即時性と正確性が重要となる大手新聞社などの報道機関や企業で普及が進んでおり、ソーシャル防災を行う上では欠かせない存在となっています。

ソーシャル防災で正確な情報を発信・収集するためにSNS緊急情報サービスの導入を検討すると良いでしょう。

まとめ

今回は災害時にSNSを活用するための基礎知識やSNSのデメリットをカバーする方法などを紹介しました。

最後にもう一度おさらいすると本記事の重要なポイントには次の4点があげられます。

  • SNSはリアルタイムで災害の情報発信・収集ができる
  • 災害発生時でもSNSを利用できる可能性が高い
  • SNSは悪質なデマや誤った情報も拡散されやすい
  • SNS緊急情報サービスであれば、SNSのデメリットを回避可能

この記事を参考にして災害発生時に上手にSNSを活用しましょう。

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