ソーシャル防災が今、重視されている理由とその基礎知識

      2019/12/26


災害発生時に重要となるのが、迅速な情報収集です。

ソーシャル防災を行えばリアルタイムに情報を詳しく知ることできますが、そもそもソーシャル防災がよく分からないという方も少なからずいるのではないでしょうか。

そんな方のために今回はソーシャル防災の基本とその事例、メリット・デメリットなどを紹介していきます。

この記事を読めば災害時に役立つソーシャル防災を導入できるようになるので、ぜひ読み進めてください。

ソーシャル防災の知って得する予備知識


まずはソーシャル防災の基本を解説していきます。どれも大切な内容になるので、ぜひじっくり読んでみてください。

ソーシャル防災の定義

ソーシャル防災とは、twitterやFacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて防災や減災に関する情報を発信したり、収集したりする取り組みのことです。

災害が起きた時にSNSを通じて情報収集や安否確認を行うことは、もはや当たり前のことになりつつあります。

具体的には2018年6月に発生した大阪府北部地震では、12,800件の電話が繋がらなくなりました。

しかし、その一方で地震発生直後はLINEの送信数が通常の5倍に及んでおり、多くの方が安否確認で利用していたことが明らかになっています。

電話回線は1つの回線を独占して使うため災害発生時は通話が集中することにより、制限されやすいです。

しかしインターネットなどのデータ通信は、データを分割して送信するため、効率的に回線を利用でき、災害発生時でも繋がりやすいという特徴があります。

情報を提供する側の企業や官公庁、自治体でも、報道では把握できないリアルタイムな被害や救援物資などの不足状況を、SNSを通じて収集することが増えています。

ソーシャル防災が注目される理由

SNSは即時性、つまりリアルタイムに情報をやり取りできることが特徴です。

報道機関が放送までに取材・編集する時間を要する一方で、SNS上の情報ならば今何が起きているのかを知ることができます。

今では、報道機関も取材活動の一環としてSNS上の情報を重視しています。

防災という視点からSNS上の情報が注目されるようになったのは、2011年の東日本大震災がきっかけです。

孤立している被災者がスマートフォンから助けを求めるツイートをすると救助につながったり、避難所などで足りない物資の情報を発信して調達に成功したりと、SNSの情報は無視できないものになりました。

そのため、自らSNSを通じて災害情報を収集・発信することはもはや不可欠と言えます。

ソーシャル防災の3つの事例

では、ソーシャル防災の事例としてはどんなものがあるのでしょうか。主な使い方を3つ紹介します。

①防災情報の発信

まず挙げられるのは、地方自治体や首長などの公的セクターによる防災情報の発信です。

全国自治体の半数以上がSNSで情報発信を行っており、全人口の約86%をカバーしているとの調査結果もあるほか、知事や市町村長といった首長の発信も目立つようになってきています。

例えば、2018年9月の台風21号で大きな被害を受けた大阪市では以下のように市長が自らのアカウントで市内の学校の休校を伝えるなど、住民に必要な情報をツイッターで積極的に発信していました。

②防災情報の収集

SNS上の防災情報を収集する取り組みです。

リアルタイムの情報を手に入れることで、すばやい初動が可能になります。

SNSでの情報発信はすでに全国自治体の半数以上で行われている一方で、情報収集では手探りの状況が続いているようです。

調査によると、SNS上の情報収集に実際に取り組んでいる自治体は全国自治体の1%程度にとどまっており、これは一般企業にも同じ傾向が見られます。

先ほど挙げた2018年台風21号では、大阪府や京都府、兵庫県など広い範囲で被害が見られました。

自治体や国、報道機関もその全容を把握できていなかったと考えられますが、SNS上では、寝屋川市内での被害や京都市内での被害など、細かい情報までカバーしていたのです。

③減災訓練

実際にSNSを使って防災・減災に取り組む流れも生まれつつあります。

静岡県下田市や東京都中央区豊洲などでは、SNSへの投稿をAIで分析して避難に役立てる「防災訓練」が実施されています。

この訓練では、SNSに投稿された孤立者などの被災状況や避難所に関する情報を分析してシステムに集約することで、救助などに役立てようとしています。

このようなSNS上の情報を利用した防災(ソーシャル防災)は、今後さらに進んでいくと考えられます。

ソーシャル防災のメリット・デメリット

ソーシャル防災の効果についてまとめておきましょう。

【ソーシャル防災に取り組むメリット】
①リアルタイムの情報を手に入れることができ、初動対応が早くなる
②自治体や報道機関が本来把握できない情報まで入手できる
【ソーシャル防災のデメリット】
①悪質なデマが流れる場合もあり、情報の見極めが必要になる

ソーシャル防災にはテレビやラジオなどの報道機関では得られないメリットがありますが、SNS上に書かれている情報が常に正しいとは限りません。

実際に2018年7月に発生した西日本豪雨では「レスキュー隊になりすました窃盗グループが被災地にいる」、2016年4月に起きた熊本地震では「ライオンが脱走した」など悪質なデマが流され、逮捕者が出ました。

SNSで情報収集を行う上で真偽を見極める力は必要不可欠となりますが、SNS緊急情報サービスであれば自動的に真偽を判断してくれるため、SNSでスムーズに情報収集できます。

具体的にはJX通信社が提供するFASTALERTなどがあり、これらのサービスは、AIを活用してSNSに投稿された情報をリアルタイムで分析し、利用者に配信するものです。

まだSNS情報サービスを導入していないという場合は、検討すると良いでしょう。

まとめ

今回はソーシャル防災の基礎知識とその事例、メリット・デメリットなどを解説しました。最後にもう一度おさらいすると、本記事の重要なポイントには次の3点があげられます。

  • ソーシャル防災とはSNSで防災に関する情報発信・収集をする取り組みのこと
  • SNSではリアルタイムで情報を収集できる
  • SNS緊急情報サービスであれば、スムーズな情報収集を実現できる

この記事を参考にして、災害発生時に効果的なソーシャル防災を行いましょう。

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